【本】LEONの秘密と舞台裏 ☆☆☆

LEONの秘密と舞台裏  カリスマ編集長が明かす「成功する雑誌の作り方」
LEONの秘密と舞台裏 カリスマ編集長が明かす「成功する雑誌の作り方」
岸田 一郎 ソフトバンクパブリッシング 2005/9

ごぞんじ「ちょい不良(ワル)オヤジ」のバイブルLEON編集長の本。「ない」と言われてきた男性シニア向けの雑誌を成功させた裏には、マーケティングの知恵が散りばめられていました。


 成功した理由は、
1.ライフスタイル誌にこだわったこと
 総合誌は、広告主にとってターゲットに届きにくい。専門誌は、広告料が低くなってしまう。よって、広告主にとってもターゲットが見え、雑誌社にとっても、割高な広告料の取れるライフスタイル誌を目指した。
2.ターゲットをミドルエイジの男性にした
 購買力が圧倒的に高い
3.部数至上主義にとらわれなかった
 雑誌は、販売収入と広告収入から成り立っており、部数を伸ばしても、広告収入が伸びなければ利益はでない。しかし、右肩上がりの時代を経験している雑誌社のマネジメントは、部数至上主義に陥ることが多かった。
4.編集長への権限委譲
 大手雑誌社では、企画から編集まで複数の部門と調整する必要があるが、中堅の主婦と生活社は、編集長に任せてくれた。
5.読者の本当のニーズに応えた
 知りたいのは、オタクな知識ではなく、単純に「モテる手法」と明確に意識した。特に、費用対効果にはこだわった。

 ということで、雑誌社、読者、広告主の間にwin-winの関係を作るにはどうしたら良いかを考えていったら、こうなった。と後から言えばそうなるのですが、5年前にそれが見えていたところが岸田さんの尋常でないところですね。
 書評を書いていて、AppleとSonyの分析をしているような錯覚に陥ります。

では。