菊澤 研宗 ダイヤモンド社 2000/11
著者が、防大教授だった時に書いた組織論。経営学が、民間以外でも役立つことを納得してもらうため、『失敗の本質』を意識しつつ書いた本。
『失敗の本質』は、合理的な米軍 vs. 非合理な日本軍という構図でした。本書は、日本軍が合理的に失敗したことを理論的に説明しています。人間の合理性が、失敗の原因とは、不条理な話です。なぜ、そのようなことが起こるのか。それは、人間が限られた情報の中で判断するから(限定合理性)と述べられており、参考になりました。
(追記 プレジデント 2018/6/4 p.92 の菊澤教授のコメント
人間が限定合理的であれば、相手の情報不備につけこんで、利己的利益を追求しようとする機会主義的な人が現れます。
その結果、人間同士で交渉・取引をすると、騙されないように駆け引きが起こり、多大な時間や労力というコストが発生します。このコストを考慮すると現状が非効率だったり不正な状態でも改革することなく維持したほうが合理的という不条理が生まれるのです。
追記終了)
【参考】
プレジデント 2018/6/4 p.92 「損得計算ばかりしているトップの率いる組織の末路」