中室 牧子 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2015/6
教育経済学者による教育経済学入門書。統計学を用いて教育のインプット・アウトプット分析を紹介しています。データに基づく分析では、
・ご褒美で釣っても「よい」
・ほめ育てはしては「いけない」
・ゲームをしても「暴力的にはならない」
となるのだとか。
冒頭は西内啓氏の言葉。
どのような教育がいいか、という問への回答は、教育される本人の特性や能力、環境さまざまな要因によって左右されうる・・・・・(中略) 自分が病気になったときに、まず長生きしているだけの老人に長寿の秘訣を聞きに行く人はいないのに、子供の成績に悩む親が、子供を全員東大に入れた老婆の体験記を買う、という現象が起こるのは奇妙な事態だとは思わないだろうか。p.14
社会実験によって得られる知見としては、
アウトプットではなくインプットに、遠い将来ではなく近い将来にご褒美を与えるのが効果的 p.41
子供をほめるときには、もともとの能力でなく、具体的に達成した内容を挙げることが重要 p.51
「勉強するように言う」のはあまり効果がありません。むしろ、母親が娘に対して「勉強するように言う」のは逆効果 p.60
少人数学級の因果効果は小学生の国語以外の科目では確認されていない。p.113
など。日本のデータ分析は、これからだそうです。
では。