石井一 産経新聞出版 2016/7
石井代議士によるロッキード事件簿。スタンフォードで修士とってたのですね。ロッキード事件を日米双方から検証しており、事件を複眼的に見ることができました。NHKスペシャルの「未解決事件 ロッキード」と同じ視座です。
ロッキード社は民間機だけでなく軍用機を製造し、特にP3Cのにhんへの売り込みが日米間の貿易インバランスをただすための最重要課題だと言われていました。また、金額的にはトライスターよりP3Cの方がはるかに大きかったのですが、P3Cを取り上げるとなると日米間の防衛汚職といて、両国の安全保障体制を極度に揺るがす大スキャンダルに貼ってうする恐れもあり、これらについては一切触れないということになりました。
したがって、影のフィクサーとして動き、巨額な金員を手にした児玉誉士夫や小佐野賢治に対しても、当時噂されていた中曽根康弘ほか灰色高官とされた13名に対してもP3Cに関しては一切立件せず、焦点を合わせるのは田中とトライスターのみに絞って日米両国が立件に乗り出したのです。
資料の読み込みは深く、こんな丹念な調査をする方とは思っていませんでした。一方で、現金授受を金額をハッキリ記載しており、学者なのか政治家なのか、途中でよくわからなくなりつつも、貴重な証言だと思いました。
では。