USJを劇的に変えた、たった1つの考え方
森岡 毅 角川書店 2016/4/23
USJのCMOによるマーケティングの入門書。テーマパークというわかりやすい場所で、どのように顧客に向きあばよいか学ぶことができます。
たとえば、目的の設定するときの留意点。
1.実現可能性(ぎりぎり届く高さを狙う)
2.シンプルさ
3.魅力的かどうか
ターゲットの設定は、『どう戦うか』の前に『どこで戦うか』を正しく見極めること。P18 ようするに、「消費者の方を向いて消費者のために働け」P28 ということなのですが、いつのまに、供給者の論理になってしまうのですね。
広告の唯一無二の目的は、「その企業のブランド価値を向上させて売り上げを伸ばすこと」P44 なのですが、ブランド管理ができる企業は、中小企業では限られますね。著者のブランディング定義は、
マーケティングの最大の仕事は、消費者の頭の中に『選ばれる必然』を作ること、そのための活動を「ブランディング」と呼ぶ P70
現場への落とし込みは、あくまでデータ重視です。P87
『売上金額』 = 売上個数 × 『平均価格』
= 消費者の数×認知率×配荷率×購入率×『平均価格』
川の流れに例えるのがわかりやすいです。
消費者が『認知』してから『購入』し、さらに『再購入』に達していく、購入にいたる流れのことを『パーチェス・フロー(Purchase Flow)』と言います。・・・どこの川幅が問題なのかを明確に洞察して、適切な治水工事を行い、不必要に狭い川幅をどんどん広げていく。そうやってたくさんの水が流れる仕組みを作っていく。P88選択と集中 P104
常に足りない経営資源を、選ぶことで足りるようにするのです。何に集中するのかを選ぶのです。やることを選ぶということは、同時にやらないことを選ぶということ。これが戦略の核となる考え方『選択と集中』です。全てをやろうとすることは、つまり選ばないということは戦略がないということです。
では。
【参考】
著者について:NHK プロフェッショナルの流儀 2014年9月1日放送。