松井忠三 角川書店 2015/11
無印前会長の海外展開本。日本の小売業の世界展開が一巡し、経営トップが、ノウハウを共有する段階に入ってきました。あらゆる情報にアクセスできるトップが、語り始めるというのは、ありがたいことです。
今は、シンガポールでもよく見かけるMUJIですが、 失敗を重ねているのがわかります。最初の11年間は赤字。違いは、失敗からどう学ぶかでした。負けパターンから勝ちパターンを抽出できるかどうかが、結果を分けます。たとえば、地域性。
アジアの国では交通量と平均所得、一人あたりGDPなどの指標でマーケットを把握し、出店すれば、ある程度うまくいくことが多いのですがヨーロッパではそれが通用しません。p.25
First mover advantage に触れているのがp.64
インドネシアに視察に行ったときに、街の道路にはオートバイがあふれかえっていました。車よりも圧倒的にオートバイが多く、オートバイの群れの仲を車が走る状況です。
その光景を見たときに、「出るなら今しかない」と決断しました。オートバイが多いというのは、その国が経済発展の初期にあるとを示すからです。
グローバル化の3要件は、p.83
- ブランド
- ビジネスモデル
- オペレーション力
コスト管理の最重要項目は家賃。
世界の主要都市では数年後に家賃が倍になるのが常識だという点は覚えておいた方がいいでしょう。p.96
こうしたノウハウの集大成が、「出店基準書」 p.102. 売上予測の精度が上がれば、海外展開に加速がつきますね。
では。
【参考】