危機管理の死角
小川和久 東洋経済新報社 2015/7
幸か不幸か、本書の価値が上がってしまいました。小川さんの危機管理の本。有事への備えは、パリであろうが、シンガポールであろうが必要と思いました。
海外に住んでいて、参考になるのが、Non-compatant Evacuation Operations (NEO)。日本企業から韓国から退避するときのドタバタが描かれていますが、シンガポールから3万人の退避するとなると、相当な混乱が予想されます。教訓は、
危機管理には「拙速」以外の選択肢はない。多少は雑でも素早く必要な手をうち、完成度は走りながら高めていく。p.14
危機管理には、レディ・メイドのマニュアルはなく、自分で整備するより無い。強調されているのは、情報力。
語学のプロをきちんと活用するだけで政府の情報収集レベルを超えられる。それも、たいしたお金はかからないことを繰り返し強調しておきたい。p.56
第7章では テロ対策が論じられており、公衆衛生学的アプローチ、予防医学的アプローチ、対処療法的アプローチを紹介している。パリの事件が起こった後では、企業の担当しゃも、特殊部隊の実力を知って置くのは、有益かと思います。
第8章は、企業人のための情報活動のイロハとありますが、企業人がやることではなく、国家の情報機関の解説です。
- アメリカ
- CIA、DIA、NSA、NGA、NRO、INSCOM、ONI、CGI、FBI、DEA、OIA、INR、NNSA
- イギリス
- SIS
- ロシア
- FSB、SVR、FSO、GRU、VTU
- 中国
- 中国共産党中央統一戦線工作部、中華人民共和国国家安全部、中国人民解放軍総参謀部第2部、中国人民解放軍総政治部
- フランス
- DGSE、DRM、DCRI、
- ドイツ
- BND、BfV、BSI、ZNBw、MAD
これはこれで参考にはなりました。
では