ダイヤモンド Harvard Business Review 別冊 2015年5月号
シンガポールで3年働いて、人材育成への関心が強くなりました。いろいろ議論はあるでしょうが、今の日本の教育で、アジアで戦える人材が育つか疑問です。本書は、文字通り、豪華キャストで、参考になりました。
多くの著者に共通しているのが、求められる人材が10年前とは変わってしまったこと。藤原さんは、97年の金融危機を転換点としています。
今後10年の変化については、クリステンセン教授に刺激を受けるでしょう。「ウォークイン・クリニック」、フリーランス向けのグループ医療保険、eラーニング、マイクロ・レンディングなど。
ウォークイン・クリニックのミニット・クリニック は、本社、ミネアポリスなんですね。シリコンバレー以外からも、こうして変革が起こるのがアメリカの懐の深い所。
非営利の自営業者組合、フリーランサーズ・ユニオン。私も、コンサルタントに戻り、自分で保険に入ったのですが、家族3人で、年間70万円ほどになります。こういうニッチ分野に新たなサービスが出てくるダイナミズムが素晴らしい。
日本では、G大学、L大学の論争がありましたが、同教授の評価は、こちら。
信じがたいかもしれないが、コミュニティ・カレッジも触媒的イノベーションである。コミュニティ・カレッジによって高等教育を受ける学生が増え、またその意義が見直されるなど、アメリカの高等教育は、劇的な変化を遂げている。p.18
大前研一さんの必要な人材予測は、以下のとおり。
必要な人材は2つに分かれるだろう。一つは、できあがった秩序を誠実に守るタイプ。もう一つは、突き抜けて新しい秩序を描き、特定の分野で世界を征服するような野望を持つタイプである。p.8
後者は、大前さんが常々言われたことですが、前者の突き抜けた人材にも触れているのが、新鮮でした。
Lynda Gratton 教授のインタビューも、示唆に富んでいます。バーチャルな働き方の例として取り上げているのが、タタ・コンサルタンシー・サービシズ。LBSの教授が、インドの会社を取り上げる時代になりました。
私の仕事に関連すると、「スーパーテンプ」という言葉を知りました。フリーになって、会社の雑務を卒業し、かつ収入を維持。難易度の高いプロジェクトの責任者となる。現実は、厳しいですが、世界で同じような働き方を目指す人が増えているのは、励まされます。このあたりは、デロイトのレポートもご参照。(Human Capital Trends 2015)
アジアの時代になると、ますます(幼児)教育の重みがマシますね。私も、がんばらねば。
では