Tested Advertising Methods, by John Caples (5th Edition)
ダイヤモンド社 2008/9
広告の父 David Ogilvy(1911-1999)が推奨する本。オリジナルは、大恐慌真っ最中の1932年。当時の中心的メディアは新聞で、本書も新聞広告を想定して、さまざまなテクニックを紹介しています。YouTube時代になぜ文字広告?とも思うのですが、キーワード広告が普及した現在こそ、より多くの人が、人をひきつける「文字」を研究しなければならなくなったのです。
感心するのは、この当時から、テストすることの重要性を認識していたことです。現代でも、テレビの視聴率など、広告の効果はあいまいなところが多いのですが、”Learn, Adopt”を繰り返す大切さを丁寧に説いています。
- 広告に、効果が数値化できる手段を入れる
- 手間ひまかけて、その結果から学ぶ
- 同様の商品やサービスのコピーを書き直す
具体的なアドバイスとしては
- 成功の鍵は、広告のあらゆる要素を絶えずテストすること
- どういうかより、何を言うかのほうが重要
- ほとんどの広告では、見出しが一番重要
- 一番効果的な見出しは、相手の「得になる」とアピールするか、「新情報」を伝えるもの
- 中身のない短い見出しより、何かをきちんと伝えている長い見出しのほうが効果的
- 一般的な内容より、具体的な内容のほうが信用される
- 短いコピーより、長いコピーのほうが信用される
ただ、具体的なコピーになればなるほど、同じような文章が、逆の効果を生むなど難しいことがわかってきます。これは、経験を通して学ぶのでしょうね。キーワード広告登場で、一億総コピーライターになった現代、この本のメリットを受ける人も少なくはないと思います。
では。
【参考】
週刊ダイヤモンド 2008/9/27 p.101 神田さんの書評が掲載されています。