稼ぐ力 大前研一 小学館 (2013/9)
シンガポールで働いて1年が過ぎました。自分の人生と仕事について振り返る1冊になりました。
私が知る限り、国際的にどこに行っても通用するグローバル・リーダーには共通のパターンがある。それは、一番最初によく人の話を聞き、実態を分析して正しい方向性を見つけるまでは謙虚そのもので全く先入観や偏見を持たずに取り組む、ということだ。そして改革案が出てきたら、強いリーダーシップで周囲を説得して断行する。このフェーズの切り替えは3ヶ月でやることが重要で、2年も3年もかけたら意味がない。p.163
このスピード感が、日本人が海外で企業経営をするときに重要だと痛感しております。
日本企業の最大の問題は、「仕事が定義できていない」ことである。p.50
これは、英語で仕事の指示をすると、気がつく点です。日本企業の強さは、仕事を定義しなくても社員が動くことであり、海外でうまく事業展開ができないのは、ここにも理由があると思います。
私が企業の間接業務を簡素化するコンサルティング業務を請け負った時は本社部門の人員の25~40%削減を目指し、まずはフォーマットの統一からスタートする。そうやって重複する間接業務をどんどん整理していくと、人員を25~40%削減しても、業務には何の支障もないのである。
しかも、そこまで間接部門をカットすると、支店や営業所の「内向き(本社向き)」の仕事が減って「外向き(顧客向き)」の仕事ができるようになる。本社部門の人員削減効果は人件費削減にとどまらないメリットがあるのだ。 p.48
日本企業が海外展開する際には、簡素で強いプラットフォームが重要と感じます。
第3フェーズに必要な3つの役割
- Start new
- Turn around
- Do more better
この3つの役割をすべてこなせる人はめったにいない。だから会社は、その人材の適性を判断することが重要となる。p.107
日本の会社は、全部やらせがちですよね。
トップに必要な「3つの資質」 p.160
- 海外勤務経験
- 有望事業/不採算事業を任せた結果
- リーダーシップ (Shapers and shakers)
グローバル人材に必要な力は、従来の主張と同じです。
2030年に生き残れるグローバル人材になるためには、大きく分けて2つのスキルが必要だ。 1つは「ハードスキル」だ。具体的には会計、財務、マーケティング理論、統計学などビジネスで必要とされる”道具”である。(中略) もう1つは「ソフトスキル」だ。前出の3つの問いがまさにそれであり、民族・国籍・文化・言語・宗教の違う人たちとコミュニケーションをとりながら、ビジネスを円滑に進める能力を指し、もちろん英語力が前提となる。p.65
気になる数値をメモ。
P&Gは、売上高の3分の1は概ね過去5年以内に導入された商品だという。p.108