中央経済出版社から、『世界は君を待っている!』が出版されます。イフ外語学院の中野先生が、卒業生に声をかけて、取りまとめていただきました。
留学本、MBA本はあまた出ておりますが、35年間留学予備校を経営し、2万人を越える日本人を留学に導いた先生が取りまとめている本書は、若いみなさんの参考になると思っております。
自分の半生を振り返る機会をいただいたわけですが、まあ、「思いつき」で生きてきた自分に、いまさら気づいたところでございます。バブル絶頂で長銀から内定をもらった自分が、国賊と呼ばれるとは思いもしませんでした。
中野先生が、このタイミングでの出版を決意されたのは、母国への危機感があったからだと思っています。私も、同じような危機感を持っていました。ミネソタ大学MBA日本人同窓会の幹事をやっていたのですが、最近は、日本人がカールソンに入学しくなっていました。トップ校に日本人が少なくなったのも問題ですが、中位校に日本人が減ったのは、また別の要因があるのではと考えています。ごく普通の(あるいは所得の低い)家庭に生まれ、公立校で教育を受けた子どもが、留学のチャンスを掴む。そんな道が、どこかで途絶えてしまっているのではないかと。それは、若い世代の気質が内向きになったのかもしれませんし、日本企業に余裕がなくなったのかもしれません。
いま、40代になって、初めて海外で働いています。痛感するのは、若い時に世界に出て、異文化を体感するのがどれほど大切かということです。私の職場のような小さな所帯でも、中国人、インド人、マレー人、ミヤンマー人が日々一緒に仕事をしています。トラブルも毎日のように起こるのですが、ここでどうリーダーシップを発揮すればよいのかは、1日では習得できないのです。
たとえば、ある中国人は、毎日ように「金くれ」と私に言ってきます。日本人であれば、無礼だと叱りつけるでしょう。しかし、彼にとって見れば、「元気?」のようなあいさつのようなのです。こういうことは、異文化の真ん中に自分を投げ出さなければできないことです。年を重ねると、どうしても考え方が保守的になります。若くて吸収力のある時に、こういう体験を重ねておくことが、世界で活躍するためには、重要なのではないでしょうか。
私は、シンガポールに居て出席できないのですが、出版記念が3月30日に開催されます。
もしも、親戚に留学を迷っている方がいらっしゃいましたら、本書を薦めていただければなぁと思っております。