Walter Isaacson 講談社 2011/10
アップル創業者については、これまでにたくさんの本を読んできたので、どこかで読んだような本ではあります。ただ、本人にインタビューしただけあって、プライベートなエピソードが多く、天才がいろんな人に助けられて、育ったのがよくわかりました。
- 育ての親: 裕福では無かったにも関わらず、最高の教育を与えようと尽力。
- 小学校の先生: 言うことを聞かないジョブズ氏に勉強の面白さを教えた。
- アタリ社: 裸足で匂いがするジョブズ氏を採用し、夜勤にした。
- 禅寺の師: iPhoneの部品が日本製だとか言われてますが、根本思想が実は日本製。
才能のある人を特別扱いするというのは、不平等。それを社会がどこまで受け入れるかは、難しい問題。ジョブズ氏は天才とわかり、社会に有益な結果を残しました。しかし、先生の座る椅子の下に爆薬をしかける小学生のすべてが、世の中に有益な結果をもたらすとは限りません。新入社員の態度に苦慮する中間管理職のみなさんに、将来のジョブズ氏になるかもと言っても、何の慰めにもならないでしょう。
しかし、アメリカには、「粘り」があります。おかしな人に「間抜け」と言う率直さと、おかしな人を夜勤で雇うという知恵。なかなか真似できません。
61歳のおじいさんが、「85歳のひいおじいさんが自分の言うことを聞いてくれない」と記者会見して、翌日もいつも通り働いている国とは違います。