かぜの科学
Ah-Choo!? ―The Uncommon Life of Your Common Cold
ジェニファー アッカーマン 早川書房 2011/2
サイエンス・ライターによる、かぜの本。一番身近な病気がいかに俗信に満ちているかわかりました。
風邪は、呼吸器系の炎症性の病気の総称。原因となるウィルスは200以上。よって、風邪はXXすれば直るといっても、次の風邪は別のウイルスの組み合わせかもしれない。感染の主ルートは鼻。私たちの手は5分に数回顔を触っており、指に付着したウィルスが目や花を通じて身体に入ります。
他にも、さまざまな俗信が指摘され、風邪を予防するにはどうしたいいのか知識が得られます。
- 咳やくしゃみでかぜが広がるわけではない
- 風邪にかんする限りマスクはほとんど役に立たないようだ(p.215)
- 寒いから風邪にかかるわけではない
- 総合感冒薬は不要な成分も含まれる(p.250)
- その時にかかった風邪(ウィルス)に対応した薬を服すべき
- 抗生物質は最近による感染症用の医薬品であり、風邪などのウィルス感染症には効かない (p.266)
- 加湿器の効果は認められていない(p.274)
予防策としては、睡眠と手洗いが推奨されています。ここまで読むと、「アビエイター」ハワード・ヒューズを思い出します。しかし、著者はロットバートの言葉を引用し、偏執狂になることは戒めています。
私たちはありとあらゆる手すり、ドアノブ、エレベーターのボタン、コンピュータのキーボードに神経を尖らせなくてもいいのです(中略)風邪やインフルエンザの季節に、野球が終わって相手チームの25人全員とハイタッチしたあと、4分の1カットに切り分けられたオレンジを手で食べる前には、ベンチに戻って殺菌剤で手をふくように教える。 これが分別というものです p.214
具体的な提言はp.232。
- 自分の体調に留意する
- 風邪を引いた子供を避ける
- 手を頻繁かつ入念に洗う
- 顔に手をやらない
右利きの人は目や鼻を左手で触る - 誰かが風邪を引いたら、物体表面をきれいにする