いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ
東洋経済 2009年上半期 経済書Best 20 第1位。
経済学部出身者は、懐かしくかつ新鮮な思いで読める本です。文書もさることながら、経済学者の写真がうれしかったりしました。学部で使う経済学のテキストにも、写真入れれば良いのにと思いました。
同じ年に生まれた2人。John Maynard Keynesは、有効需要の不足が不況の原因と考え、需要創出を訴えました。Joseph Alois Schumpeterは、資本主義の本質は企業家精神にあるとし、イノベーションこそが不況を打破すると考えました。
その後、「ケインズは死んだ」とか言われましたが、オバマ大統領が企業の国有化に踏み込むようになり、再び2人に光が当たるようになりました。
金融でいうと、p.54にシュンペーターの引用があります。
銀行家は「新結合の遂行を可能にし、いわば国民経済の名において新結合を遂行する全権能を与えるのである。彼は交換経済の監督者である。
アメリカでVCの役割を勉強してくると、産業革新機構のような試みに懐疑的になりますが、シュンペーターは、新結合のファイナンスをエクイティだけとは考えていなかったのですね。吉川先生も、日本のバンカーを叱咤激励されています。
では。
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【参考】
・東洋経済のインタビュー 吉川洋氏に聞く 2009/09/30