【本】外資系トップの仕事術☆☆☆☆

外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか
外資系トップの仕事力
ISSコンサルティング 2006/9 ダイヤモンド社

 外資系企業の経営者12名のインタビュー集。単なるキャリア論というだけでなく、仕事の進め方の参考書としても読めます。
 すくなくとも、この世代で、最初から外資系のトップを目指していた人は少なく、さまざまな偶然が、現在のキャリアに結びついています。


 たとえば、マーサーの柴田さんは、内定をキャンセルされて、京王プラザホテルに就職しています。世界で仕事をしたいというビジョンを持っている人はいますが、それは必ずしも外資系企業の経営者とはイコールではありません。
 人生の節目節目にやってくるチャンスにどう向き合ったか。成功者の判断は参考になりました。
 印象に残ったコメントは、以下のとおりです。

マーサー柴田社長

P.41 同期トップを走っている人たち300人にインタビューしたことがありました。早く選抜される人には共通項があった。その第一が、第一志望で入社していないことだったんです。そして二つ目が若いうちに修羅場を経験していること。三つ目が、海外だったり、まったく違う事業をしている子会社であったり、異文化の中に放り込まれた経験があることでした。

 ルイヴィトン 藤井社長

P.152 人との出会いは、計算してできるものではないんです。だから、常に努力しておく。人脈もつくる。そして努力したら、あとは運命だと考える一生懸命やっていれば、必ず何かが起きます。そうなったときに考えればいいんです。

 日本GE 藤森会長

P.162 でも、全部考えていると結論なんか出ないですよ。では、向こうの連中はどうするのかというと、条件をカットしてしまうんです。要するに、そもそも一番大事な条件や女王を選択する力があるんです。だから結論が出る。しかも速い。
P.174 私の言う素質は三つ。人をひきつけ、人とうまくやっていける力を持っているか。そして自身があるかどうか。もうひとつは、自分で決められるかどうか。決断して責任を持てる素質があるかです。