ダメな奴でも「たたいて」使え!
後藤 芳徳 2005/10 フォレスト出版
風俗店経営者の人材活用論。大企業から脱サラして、一番戸惑うことは、採用かもしれません。性善説のコーチングなどを知っていると、なおさら裏切られたという思いを強くするでしょう。そんな中小企業の現実を筆者は以下のように述べています。
素晴らし手法をす遂行するカリスマ性の高い社長の会社ほど、社員が社長を軽んじる傾向があります。
社長の素晴らしさに依存して、あまりにも簡単に利益が上がるビジネスモデルを社長がつくり上げてしまったがために、社員が自分の力を過信しているという例は珍しくない。P.202
ところが、風俗店というのは、そもそも、やる気のある人が応募してこない業種です。そんな中で採用しないと、商売が始りません。そんな状況の中で、人をどうやって活かすかを追求し、体系化してくれています。
結論は、「人間はアウトプットでしか変わらない」です。
どんなにガミガミ叱っても(インプット)、本人は変わりません。自分がやってみて(アウトプット)、成功体験が得られた時に、初めて、自分がかわるんだそうです。
第4章のLove&リスペクト論は、賛否分かれるところでしょう。けど、女性を動かすのは、Loveであり、男性にはさらにリスペクトが必要だというのは、なるほどと思いました。ソニーミュージックのこと思い出しますね。
ピンチの時にこそ明るくとふるまういう話題で、NAVY SEALS(アメリカ海軍特殊作戦司令部)の話がでてきます。極限状態に追い込まれると、一定の割合で、部隊を励ます人がでてくるのだそうです。特殊部隊で求められるのは、そういう人間なんだそうです。そういう人間が、部隊の生存率を上げるからです。
P.176には、陸軍士官学校の教えが紹介されています。
まず最悪を考える、次にもっと最悪を考える、そして最後に笑って解決しなさい