ハイ・コンセプト (A Whole New Mind)
ダニエル・ピンク 三笠書房 2006/5
著者よりも、訳者が目立ってますね(笑)。帯は、大前さんの写真ですし、訳者名のフォントの方が大きいような…。
「フリーエージェント社会の到来」を書いたDaniel H. Pink氏の最新作。いま、世界で起こっている変化を、実に的確に捉えています。本の中で書かれていることは、どこかで聞いたことばかりなのですが、余計なノイズを除去して、クリアな絵として見せてくれています。
さすが、ゴア元副大統領のスピーチ・ライター。本というのはこうやって書くというお手本です。このブログでこれまで書いてきたことも、スッキリ整理できました。
要旨は、(なぜか巻頭にあって19ページもある)訳者解説を読めばわかります。現在社会の変化のキーワードは、
「豊かさ、アジア、オートメーション」
で、これを乗り越えるには、右脳を鍛えて「ハイコンセプト&ハイタッチ」な人材になる必要があります。
筆者の歴史観は、P.99のチャートに示されています。要旨を表にすると、以下の通りです。
18世紀 農夫の時代 (農夫)
19世紀 工業の時代 (工場労働者)
20世紀 情報の時代 (ナレッジワーカー)
21世紀 コンセプトの時代 (創造・共感できる人)
こんな時代、自らに問いかける質問は、P.102にあります。
?他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか。
?コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか。
?自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか。
そして、今後求められる6つの感性は、P.122に書かれています。
?機能だけでなく「デザイン」
?議論よりは「物語」
?個別よりも「全体の調和」
?論理ではなく「共感」
?まじめだけでなく「遊び心」
?モノよりも生きがい
デザインの章では、トースターの例(P.145)が出てきます。
普通の人が、1日にトースターを使う時間はせいぜい15分である。残りの1425分間、トースターは飾られているだけなのだ。
このように考えると、フランフランやイケアが流行る理由もわかります。
携帯電話は、左脳的(実用的)なものから、右脳的(有意的な)ものに変わりました。電話する機械というよりも、その人の個性を表現するものに変わりました。 こういう動きは、歳を重ねると気づきにくくなります。とても刺激を受けました。
では(^^)/^
Amazonのページを読む ハイ・コンセプト
***本書で照会されているサイト***
・離婚相談サイト http://completecase.com/
・法令書式作成 http://www.lawvantage.com/
・自分史プロジェクト http://www.storycorps.net/
・ストーリーテリング・センター http://storycenter.org/
【参考】
・秋山進さんの感想 2005/5