究極の勝利
清宮 克幸 講談社 2006年2月
早稲田大学ラグビー部監督、清宮先輩の組織論。早稲田のラグビーファンの方は、読む前にハンカチを用意しましょう。1ページ目から泣いてしまいます(T_T)。私も歳を取りました…。
2005~2006シーズンは、最高の結果が出ているので、説得力がありすぎますね。ビジネスにも応用できそうなポイントは、以下の通りです。
まず、就任直後に監督がやったのは、チームの強みと弱みのアンケートでした。どの企業でも、自社の強みや弱みを冷静に受け止めることは難しいですね。
次に、早稲田が弱かったのは、早稲田のスタイルにとらわれていたからだということ。古いファンの方ならわかると思いますが、フォワードの明治、バックスの早稲田と言われた時代には、スクラムも早く出して、グランドを縦横無人に走りまくるスタイルでした。
興味深いのは、選手は、試合に勝つために必要なことは何かを突き詰める前に、こうしたスタイルにとらわれて練習していたということです。銀行にとって、最も大切なことは何かが変わっている時に、長期プライムレートが頭から離れなかった長信銀を思い出しました。
そして、最後に「はじめに言葉ありき」というくだりです。「Ultimate Crush」という奥大使の作ったスローガンが生み出されるまでの過程を見ていくと、組織を動かす時の、言葉の大切さが改めてわかりますね。
単純にラグビーを楽しむために読んでも面白いですし、ビジネス書としても、十分に読み応えがあります。
では。
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