タイトルは、ともかくとして、西洋哲学再入門的な本。カント、ヘーゲル、マルクス、柄谷などを振り返ることができる本。そこから、官僚支配を導き出すところは理解できなかったが、キリスト教の理論を学べたりして有益。
官僚に対する考え方は、次の通り。
官僚は国民を無知蒙昧な有象無象と考えている.その有象無象によって選ばれたのが政治家だと思っている.だから、国家を支配するのは自分たち偏差値エリートであるべき、と信じている.そして官僚は,みずからの延命のためには、国民の生命も安全も切り捨て、暴走する
しかし、このあと、西洋哲学入門が始まり、私には消化不良。要所要所は、参考になります。たとえば、キリスト教のとナチズムの下り。
キリスト教は徹底的なアンチヒューマニズムです。(中略)
新自由主義的な原理の弱肉強食、「負けた者は飢え死にすればy」というような国家原理を立てる新自由主義国家が生まれたとするなら、それはキリスト教の立場からみれば、ナチズムと同じになります。その底にあるものが強力なアンチヒューマニズムだからです。p.163
ISISを念頭に置くと、あっと思うのが、バルトとナチズム。
第二次世界大戦中、バルトはいろいろな方法であちこちに手紙を送って抵抗やテロをうながし、教会をつかってナチスを裏側から揺さぶりました。p.168
懐かしい哲学者の本も読みたいとは思うものの、やっぱり、時間はないですね。
では。