ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
C.K.プラハラード, スカイライト コンサルティング
英治出版 2005/9
久々に、わくわくする本ですね。開発経済の本というのは、どうしても、「援助」という目で見ていました。しかし、この本は、一日2ドルで生きている40?50億人の人々(Bottom of the Pyramid, BOP)をターゲット顧客として、いかにしてビジネスを成立させるかを書いています。
たとえば、BOPの人は、日雇いで働くことが多いので、買い物をするのは、19時以降。だから、17時に閉まるお店には、行けない。
また、収入が低いので、高いものは買えない。そこで、P&Gは「使い切りパック」のシャンプーを販売した。など、様々な事例が書かれてます。
私の旅行記の中でも、日本の消費財企業の海外でのひ弱さについて書いてきました。発展途上国で、家電や自動車メーカーの製品はよく見かけるのですが、石鹸やシャンプーといったものは、欧米企業に押されているのです。
たとえば、ソニープラザが、インドのジャイプールにお店を出すとしたら、それは、百貨店の2階ではなく、ミニバンかもしれません。BOPの人でも変えるグッズを集めて、移動図書館のように車に満載し、17?21時にかけて周辺の住宅地を巡回する。それぐらいの商魂がないと、アジア市場では成功しないのかもしれません。
では。
『未来をつくる資本主義』を読む