採用力を確実に上げる面接の強化書

採用力を確実に上げる面接の強化書
岩松 祥典 翔泳社 2008年1月 リクルートに入社して以来23年にわたって採用に携わってきた著書による採用の本。通常、この手の本は、理論の紹介がほとんどなのですが、280ページにわたって具体例満載です。 ジャック・ウェルチ氏は、GEから一人だけ連れていくなら人事部長にすると言ったそうですが、まさに、採用が会社を作っていくのだと納得できる本になっています。 採用の成否は面接にあり、よい面接を実現するためには、面接官のレベルを上げることが必要ということです。そんなのウチでもやっていると言われそうなことですが、p.20で元リクルート人事部長の富永氏の言葉が紹介されています。

面接というのは、密室で行われる。採用仮定のなかで一番見えない過程であって、かつ、経営者や人事責任者がコントロールできていないのが、この”面接”という段階なんだよ。

p.27では、ダメな面接の例がいくつか紹介されています。

  • 面接官だけ机がある
  • 面接官との距離が離れている
  • 面接官の数が多すぎる
  • 面接までの待ち時間が30分ある
  • 面接官が資料に書き込んでいて目を合わせない
  • 面接書類を扇にしている
  • 面接官だか飲み物がある

など、会社組織としてフツウにやってしまいそうなことも、面接という場にはふさわしくないことがたくさんあるんですね。 第2章では、「面接官の8カ条」p.43が紹介されています。

1.自分よりも優秀な人材を採ること

2.当社に入りたい人材より、欲しい人材を採ること

3.熱く、当社について語ること

4.本音の仕事観を語ること

5.入社動機はドラマチックに語ること

6.自分一人ではなく、周囲を巻き込むこと

7.大胆に口説くこと

8.採用は、営業である

通常、面接となると、採る側が上から目線になってしまって、こうしたことは考えないorできずに終わってしまうのですが、人口減少時代に優秀な社員を採るためには、いずれも大切なことですね。本書では、8カ条を具体的にどのようにすすめるのかが、ていねいに説明されています。 改めて、採用は、組織横断的な活動で、全社一丸とならないと、優秀な人材が採れないのがわかりますね。 では。

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