昭和史 1926-1945
半藤一利 平凡社 2004/2
終戦60周年ということで、この本を読んでみました。靖国参拝に賛成の人も反対の人も、過去の過ちを繰り返さないために論陣を張っているわけで、「繰り返さない」ためには、歴史に学ぶことが大切だと思うわけです。
あらためて、昭和(の前半)を振り返ってみると、要所要所での判断が、少しずつ間違っていって、最後に「破滅」を迎える様がわかります。今振り返ると、なんでこんな判断をしたのだと言えるのですが、その場にいると全く反対の決定をしてしまうのです。
たとえば、鉄の生産量が10倍も違う国と戦争して勝つのは難しいことはわかっていたわけです。しかし、戦争をしなければ、ますます差が開くとみんなが思い込むと、「今が戦機」という結論になってしまったのです。
アメリカにいたときに、「Group Thinking」について考える時間がありました。一人ひとりはNoと思っていても、グループで話すとYesとなってしまうことが他の国でもあるわけです。その時間は、Challengerの爆破事故のケースが取り上げられました。一人ひとりのエンジニアは、不安な点を持っていたのですが、発射の最終決定を話し合うと無言のプレッシャーがかかってGoの判断になり、あの悲劇が起きました。
アメリカでは、こういう間違いを繰り返さないために、Group Thinkingの弊害を取り除く手法を科学的に研究していました。今の日本はどうですかね?今度の総選挙でも、流されないように過去の歴史に学びたいものです。
では。