メイキング・オブ・ピクサー
デイヴィッド A.プライス 早川書房 2009/3
『ファインディング ニモ』などを送り出した3Gアニメ企業ピクサーのメイキング本。主人公は、ジョブスではありません。
実は、20年以上の歴史があること、
最初は、ディズニーが興味を示さなかったこと、
スターウォーズに彼らが参加する以前、スターウォーズで実はコンピュータがあまり活躍していなかったこと
など、21世紀から観ると、にわかに信じられないことですが、実際のビジネスは、そんなもんだろうなぁ とうなづきながら読みました。
共感がもてるのは、彼らがデモに失敗したくだり。ウォルト・ディズニーを目指していた創業メンバーは、技術だけでは、感動できる映画ができなことに気づきます。誰一人として脚本の大切さに気づいていませんでした。その後、ストーリーを作るメンバーを探すわけですが、技術系のベンチャー企業には参考になるのではないでしょうか。
ジョブズの行動が目立つのが、IPOの前後の記述。『トイ・ストーリー』のヒットを見越して、上場を公開の1週間後に設定します。このあたりの勝負強さは、さすがです。
しかし、この時のオプションのつけ方をめぐっておきた社内のさざなみは、生々しいですね。クリエイティブな組織のインセンティブ設計という視点でも、参考になります。
アイズナーとの衝突も、バランスがとれた表記になっています。子供たちに夢を与えることと、お金儲けは、両立するか?これまた、考えさせられます。
では。
>>
amazonの書評を読む