成功ルールが変わる!
Karaoke Capitalism Management for Mankind
Jonas Riddderstrale, Kjell A Nordstrom
PHP 2004/10
スウェーデンのストックホルム経済大学教授による経営論。市場経済の狂気に警鐘を鳴らしているのですが、執筆をした2003年よりも、今のほうが、落ち着いて議論をたどることができます。
「カラオケ資本主義」とは、個人時代の資本主義のこと。集団で演奏する時代は終わり、一人ひとりがソロの歌手であると説きます。個人消費の選択肢は広がり、”J’achète, donc je suis” (p.60)状態にある。知識/想像力がもっとも重要な資源となり、国家は才能獲得競争に入ったとしています。
そうした競争社会の行き着く先は、低い平均収益率。マルクスを思い出しますね、個別企業が努力するほど、市場での生き残りが厳しくなる。
企業に必要なのは、スピード。エネルギーが大きく、質量が小さいほど、スピードは速くなるという物理学の法則を紹介しています。
リーダーシップについては、
カラオケ世界では、リーダーは組織の全ての人にビジョンを与えなければならない。p.168
としています。最近、オバマ氏の選挙活動で、それを思い知りましたね。大企業の社長といっても、200万人を動かすことはないでしょうから。
では。
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