第三次世界大戦 新・帝国主義でこうなる
佐藤 優, 田原 総一朗 アスコム 2008/12
経済(右巻)以外広い分野について議論されており、今の日本の抱える課題を網羅しています。
冒頭、冷戦後の世界情勢を第3次世界大戦とみて分析。しかし、議論は、もっと幅広い者になっており、たとえば、アメリカ人と日本人の比較では、こんなコメントが。
日本人は最初から日本人で、日本人になる必要がない。(中略)日本では、戦時中、戦争に非協力な者を「非国民」と呼んだけど、「お前は日本人じゃない」という意味ではないですからね。差別も昔からあるけど、「日本人じゃない」とは言わず、日本人のなかで下だと差別した。p.66
印象に残るのは、エリート論(p.280)。国と地方を分けるところがポイントです。
・国のエリート
・知識人であること
・自分の言葉で説明できること
・集団の利益で行動できること
・大きな夢をもっていること。
・地方のエリート
・具体的な人間に関心をもっていること
・地域の人から尊敬されるカリスマ性
世界に通用する人材を育てるという大学は多いですが、地方のエリートを育てるというところは、どれだけあるでしょう。他にも、
天皇制をめぐる問題を、神主と視点で整理。
日米安保と9条、原発と非核三原則はワンセット。
沖縄が独立する可能性と、それを利用する可能性を示唆
日本の現状については、「中今の思想」と「念力主義」
など、相変わらず冴えています。
では。