日本の優秀企業研究―企業経営の原点 6つの条件
新原浩朗 日経 2006/6
収益性(総資本経常利益率)、安定性(自己資本比率)、成長性(経常利益成長率)で、企業を選別。取り上げられている企業は、次の通り。
花王、キヤノン、シマノ、信越化学、セブンイレブンジャパン、トヨタ、任天堂、ホンダ、マブチモーター、ヤマト運輸
優秀企業の共通項を以下のようにまとめています。
自分たちがわかる事業を、やたら広げずに
愚直に、真面目に
自分たちの頭できちんと考え抜き、
情熱をもって取り組んでいる企業※
“Good to Great”の批判である『なぜビジネス書は間違うのか』も、あわせて読むと、理解が深まると思います。
ちなみに、最近の決算データ で「その後」をみてみました(四季報からラフに作りましたので、正確ではありません)。
横軸を収益性(総資本経常利益率)の変化幅(%ポイント)。縦軸を安全性(自己資本比率)の変化幅(%ポイント)。バブルの大きさは、直近の経常利益見込(FY08)です。
02年と比較して、もっとも利益率を上げたのが任天堂。ま、そうでしょうね。しかし、レバレッジは高めています。収益率と安全性の双方を上げたのはキャノンのみ。さすが、経団連会長。しかし、これからが正念場でしょう。
利益率で健闘しているのがシマノ。信越化学は利益率を下げながらも、安全性をあげてきているところが手堅さを感じます。
こうして並べると、自動車がメタメタなのがよくわかりますね。トヨタの経常利益はマイナスですが、バブルを描きました。セブンイレブンがしんどそうですね。
考えてみたいのは、前述の成功要因について
- 20世紀には当てはまったが、21世紀も当てはまるのか。
- 既存(大)企業には当てはまるかもしれないが、これから出てくる企業も同じなのか。
ということです。真逆なやり方で成功する企業も出てきたら、それはそれで日本の産業の幅が広がると思うのですが…。
では。
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