先日、中国の高齢化について、考えてみましたが、野口悠紀雄教授がこんな投稿をしていました。
確かに購買力平価(PPP)では、2060年に中国のGDPが日本の10倍になるのですが、この購買力平価がどれぐらいさがあるのか、IMFのWorld Economy Outlookのデータで確認してみました。
まずは、市場為替レートでのGDP。
2020年で中国はアメリカの3割小さい規模で、私の感覚と合います。PPPに置き換えたチャートはこちら。
2020年の時点で中国がアメリカを追い抜いていますね。為替で、中国のGDPが2倍になっているわけです。
野口教授本人も書いているとおり、経済学的にどちらが間違っているというわけではないのですが、倍も数字が違うと印象が変わってしまうでしょう。
市場レートで見た日本のGDPをみれば、この20年間増えてないのがわかります。2027年には、7兆ドルになる予測ですが、2020年末のUSD/JPYは103円とかでしたから、今の為替のままだと、夢物語なのはわかると思います。
一方、中国も、私の予測が合っているなら、日本と同じかそれ以上に成長にブレーキがかかるはずです。野口教授が根拠としているOECDの2060年予測による成長率は、下図のとおりです。
いまのところ、2030年までは4.6%で成長すると仮定していますが、日本の2000年代のような数字に落ち込むことがあれば、数字は大きく変わることでしょう。
一方、アメリカの成長率は、2020 – 2030 を2.3%とみてますね。逆に低すぎないでしょうか。
まとめますと、野口教授の日本経済の危機感は大いに受け止めるとして、中国を過大評価してしまって、ダチョウ倶楽部並のリアクションを取ってしまうのは得策ではないと思っています。
では。