「さよなら! 僕らのソニー」


「さよなら! 僕らのソニー」 立石泰則 文藝春秋 2011年 05月号

またひとつの直系家族vs核家族物語。ハワード体制下のエレキの状況をコンパクトに描写しています。

失敗を指摘するのは容易いことですが、多くの企業が教訓を得ることができると思います。

  • 高級品を造るのは、直系家族の国が多い。
    • 日本、韓国、台湾、ドイツ、スイス、スウェーデン
  • 直系家族は、世界の1割の人口しかいない。
    • グローバル化しようとしたら、他の家族類型の人たちと組まなければならない
  • 直系家族は、他の家族類型の人と組むのが苦手
    • 血統を守るのが直系家族であり、血統に沿って職人技が数百年継承されるのだから
    • グローバル化はむしろ、核家族な人が得意。ゴーンさんなんかお見事だ。
  • どうも、モノづくりが最高の付加価値をもたらしたのは20世紀で、そういう時代は終わってしまったらしい
    • 本来なら、歴史的な構造改革をしなければならないのだが…
  • 高齢化が進み「直系家族の罠」にハマってしまい、自己変革ができないブラックホールに入ってしまった。

ということなのではないかと思います。

SONYの例でいえば、トップは核家族になったが、エレキは直系家族。

Q1:(高級な)モノづくりは付加価値をもたらすのだろうか。

Q2:組織全体を核家族な運営にすべきか。

という2つの質問に答える必要があるのだと思います。