リーマンと融資平台

日経は、なんでいまごろ、こんな記事書いたのでしょうか。

中国「暗黙の保証」のツケ 融資平台、債務2000兆円の山 - 日本経済新聞
中国で地方政府傘下のインフラ投資会社「融資平台」の債務が膨張している。国際通貨基金(IMF)の推計によると、2027年には100兆元(約2000兆円)の大台に乗る見通し。政府の「暗黙の保証」にタダ乗り...

IMFの報告書が出たのは2月でしたけど。

People’s Republic of China: 2022 Article IV Consultation-Press Release; Staff Report; and Statement by the Executive Director for the People’s Republic of China
The 2022 Article IV Consultation discusses that following an impressive recovery from the initial im...

融資平台2027年に2000兆円というのは、このTable 2の数字だと思います。

中国は社会主義であり、融資平台も、コミコミで負債を見ればよいのだと思います。

IMFの予測を見ますと、2027年までGDPも成長しています。

  • General Government(中央政府)
  • Explicit local government(地方政府)
  • LGFV(融資平台)
  • SCF,GGF(政府系基金)

の4つの合計のGDP比は、2020年の99%から2027年に149%に上がるということですね。

149%は危険水域ですが、今、200%超えている日本に言われたくないでしょう。

 リーマンを振り返るのは意義があるでしょう。下図は、2006/11の貸借対照表です。

 決算書読みましたが、取締役の議論は素晴らしかったです。日本の金融機関でここまで議論を尽くしているところが何社あるでしょうか。これだけちゃんとやっても、ブラックスワンは起こると私は理解しました。

 総資産5040億ドルに対し、資本は190億ドル。自己資本比率は4%を切っていました。事業会社の方は危ないと思うかもしれませんが、金融機関にはありがちなレバレッジですね。決算書を読むと、長期借入金810億ドルを入れた1000億ドルを「長期資本」と見ていたようで、20%ぐらい安定資金を調達していたと考えていたのでしょう。

 この後、資産が毀損し、負債の返済に追われたのはご承知の通り。負債の4,850億ドルは、当時のUSD/JPY= 115円換算で、55兆円。これが世界中の金融機関とつながっていたので、システミックリスクになったのですね。

 融資平台の貸借対照表が、連結ベースでどのようなものかはわかりません。ただし、リーマンのように債務超過になって取り付けになるというよりは、南米の債務危機のようになるのではないでしょうか。形は民間かもしれないですが、もう、政府マターです。ブレイディ構想のようなものが協議されて落とし所をさぐるのではないでしょうか。

 私は、世界の金融危機というよりは、中国の治安悪化、それに伴う外交の硬化の方を心配しています。

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