久々にカラオケに行きました。歌を歌うのは楽しいのですが、一番の発見は、リモコンでした。
参加者の女性がリモコンの反応が「遅い」と感じていました。もちろん、以前、彼女が訪れた時より、リモコンの反応が遅くなっているわけはありません。リモコンは昔と同じ反応速度のはずです。昔のカラオケを知っている人であれば、曲を検索できること、ビールも注文できること、数字を入力するのではなくタッチパネルで操作できることなど、カラオケにリモコンが普及した頃のちょっとした感激を覚えていると思います。
iPhoneが、この感激を薄めてしまったのではないでしょうか。iPhoneが快適なタッチパネル操作を普及させてしまったために、なんの罪のないカラオケのリモコンが「遅く」感じられるほどになってしまった。私は、そう理解しました。カラオケチェーンであっても、カルフォルニアの企業の影響を受けるというのは感慨深いことであります。
もう一つ、現代のコンピューティングで恐ろしいのは、個人が法人を追い抜いてしまうことです。1995年ぐらいまでであれば、個人が持っているコンピュータの性能が、法人/専門店 のコンピュータを上回ることはあまりありませんでした。なので、価格の高いリモコンは、カラオケ店が購入し、顧客はカラオケ代の一部として減価償却費を負担していました。
ところが、現代では、顧客が持っているスマートフォンの方が、演算速度が高い。著作権の問題をわきにおけば、各自が歌いたいカラオケ映)を各自のスマートフォンにダウンロードして、映像をカラオケ部屋のモニターに投影すればよい。ビールやたこ焼きの注文も、各自のスマホから注文できるという環境が整いつつあります。
スマートテレビが普及する直前ぐらいに、カラオケ店は、音楽だけでない社交場に変質するかもしれません。