日経情報ストラテジー2月号p.155 にマクドナルド(JASDAQ:2702)の特集が掲載されていました。
徹底検証!日本マクドナルドの現場改革力
4年間の好業績と2007年11月の不祥事を振り返る
ITとはあまり関係なく、普通のケーススタディとして読めます。原田社長がマックからマックへ転職して以来の改革について振り返ることは、多くの企業のとって有益だと思います。
2004年時点での課題は、以下のとおり。
1.QSC(Quality, Service, Cleaness)の欠如
2.メニューやマーケティング、店舗展開の混乱と迷走
3.成長に向けた投資の欠如
4.独自の強さの減少
ここで原田社長は、マクドナルドのセンターピンを1に絞ります。マクドナルドは、1時間あたりの来店者が1人減ると、年間150億円の減収になる。リピーターを増やす鍵をQSCと見定めました。
次に原田さんは、「活動シーケンス」という1枚の絵を使って、社員とビジョンを共有します。(マクドナルドの決算説明資料p29参照)
日本マクドナルドは、13満員の店員が、1日に数百万個の商品を同じ品質で作りださなければならない。この品質を支えるのは店員なのです。
次に、MFY(Made For You)を全店に導入し、ハンバーガー大学のプログラムを一新しました。
続いて、人事制度も刷新。成果主義、定年制廃止、外部社員採用、アルバイト店員の採用基準統一などに取り組みます。原田社長いわく、
人が変われば、会社は自ずと変化する。
のだそうです。
QSCを向上させるためのROIP(Restaurant Operation Improvement Process)については、12のシステムが定義され、一つ一つの項目をどの順番で改善していけばよいかが、すごろくのように図示されているそうです。旗振り役の遠藤本部長の言葉が印象的です。
「ROIPにまとめられている一つひとつの内容は、どれも以前から知っている基本ばかりだった。(中略)(ROIPの目的は)全員が同じコンセプトを共有し、同じ道をとおり、改善を積み上げていくことにあると、当時の私は気づかなかった」
マクドナルドは、当たり前のことを当たり前にやっているのですが、その「順番」を間違えずに、きっちり進めていくところにリーダーヒップがあるのだと思いました。
では。