中国の不動産会社

日経の記事を読みました。

中国不動産の碧桂園、最終赤字1兆円 1〜6月見通し - 日本経済新聞
【広州=比奈田悠佑】中国の不動産最大手の碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)は10日、2023年1〜6月期の最終損益が450億〜550億元(約9000億〜1兆1000億円)の赤字に転落したもようだと発表した。物件販売の低迷を受け...

上半期は、金融危機に陥らずに済みました。しかし、通常の利上げ期には、利払いができずに倒産する企業が出ます。Forbes Global 2000の最新データから、中国の不動産会社をプロットしてみました。

Forbes Global 2000 (2023)

横軸が総資産。縦軸がROAです。

 参考までに、三菱地所を入れておきました。総資産が$53 bil、ROAが2.45% です。

 碧桂園(Country Garden)は、もともと赤字でしたね。中国の場合、公共事業を請け負う建設会社は相変わらず順調です。しかし、三菱地所クラスの総資産を持っている会社が何社も赤字に陥っていますね。日本だったら、すでにパニックでしょう。

 これまで話題だった恒大集団(Evergrande)は、株式が取引停止になったためか、Forbesのランキングにありませんでした。

縦軸をROAではなく、自己資本比率(ただし、時価総額÷総資産)にしてみたらこうです。

  三菱地所がだいたい3割ぐらいですね。ここを基準にすれば、中国の不動産会社はほとんど、自己資本比率の引く会社だらけなのがわかります。資本主義でないのでしょう。

 中国の人口ボーナスのピークが2010だったと書きました。

 日本はピークから20年後に不動産バブルが崩れましたが、中国も同じ運命をたどることでしょう。日本は債務が、個人→不動産会社→銀行→政府と移っていきました。中国も同じでしょう。ただ、中国は、良くも悪くも共産党主導になるはずです。本当のことが外から分からず(国民の知らされないでしょうけど)、恐慌にもならない代わりに、ながいデフレになるのではないでしょうか。