ロシアと中国が接近しています。
ロシアと中国が共闘 欧米の制裁を非難 (BBC)
私が訪露した1999年がどんな年だったのかを振り返りたいと思います。
1991年にソ連が崩壊。ロシア経済は壊滅的な打撃を受け、1998年まで経済が縮小します。ロシアは凄まじいインフレを経験しました。
1992年の物価上昇率は、874%。この物価上昇を調整した実質ベースでは、ひとりあたりGDPは、わずか618 USD (1992) でした。
私が訪露した1999年には、プラス成長になりますが、インフレ率はまだ85%。
失業率は、最悪の13%まで上昇します。シベリア鉄道でモスクワ駅に着いた私が、警官に追いかけられたのも、無理ありません。公務員ですら、給与は十分でなく、「現地調達」で生活資金を稼ぐよりなかった時代です。
こんなメチャクチャな10年間でも、シベリア鉄道は動き、モスクワの町は美しく、人々はなんとか生活していました。ただ、一人あたりGDPは1,427USD。まだ、気軽に高い輸入品を買ったり、海外に行くということはできない時代でした。
その後、リーマンショックなどはありましたが、2019年の一人あたりGDPは$11,601。中国とほとんど同じですが、ルーブルが安いため、現地での暮らしはもっと豊かなのではと想像します。失業率は4.6%、インフレ率も4.5%。過去30年を振り返れば、安定しており、これがプーチン大統領への支持につながっているのでしょう。言論の自由など文句はあれど、90年代の悪夢を覚えている世代は、多くを政治に求めない、耐性の強い人々だろうというのが私の予想です。
なので、革命が起こるとか、ウクライナのように親米的な政権になるとかも想像しづらいです。ありうるとすれば、アメリカの制裁などによってルーブルが暴落、インフレと失業が90年代並みになることですが、資源価格が今のレベルなら、中国が買ってくれるでしょう。得た中国元で必要な工業製品を買えば、アメリカの制裁下でも国民は耐える。と、99年の警官の顔を覚えている私には思えます。
ロシアが、デジタル人民元圏になるかもしれないですね。
では。