中東戦争と原油価格

イスラエルのガザ侵攻に注目しています。1月5日19時(日本時間)のニュースを見ていると、BBC WORLD NEWSはトップニュースで10分以上取り上げたのに対し、NHKのトップニュースは、通常国会開会でした。次が、経済界の新年会の模様を報じていました。大発会の株高と円安で楽観的な見通しというトーンでした。これでは、世界の緊張感が伝わりません。
2008/12/23に30.92ドルまで下げたWTIは、1月5日に48.81ドルにまで戻しました(Chart)。わずか13日で、57%の急上昇です。一時期145ドルだったことを考えれば、まだ安値です。しかし、原油の上昇が始まる前の2003年に30ドル前後だった原油が、48ドルに到達するまで9ヶ月かかったことを考えれば、中東での戦争の石油価格への影響は明らかです。
ロシアの天然ガス供給停止のニュースも、あまり報じられてませんが、同じ文脈で理解すべきだと思います。
年頭あいさつでもお話しましたが、今年の焦点は、新興国の過剰供給力の調整で、いまのところ、自国で痛みを分かつというより、他国に押し付ける方向で世界が動いているようにみえます。

では。