岸田首相の所得倍増計画を、担当大臣がいきなり否定したようですね。
首相の「所得倍増」、萩生田経産相「令和には非現実的な部分も…」
私も現実的とは思いませんが、毎年5%ずつ売上を増やす計画を立てる会社が、「どうしたら売上が倍になるか」考えるのは、有効であることもあります。従来の発想ではとても実現できず、何か新しいことをやらざるを得ないからです。たとえば、
というのは、どうでしょう。
2020年の日本の一人あたりGDPは、42,248 USDでした(PPPベース)。これを10年間で84千ドルにしたら、所得倍増なわけです。チャートを見ると無茶に見えますね。
ただ、スイスは、IMFの2026年予測で86千ドルに達する見込みになっています。ものづくりもするスイスができるのであれば、日本にもできるかもと、一瞬思えてきます。
為替(Implied PPP) をみてみると、スイスは、1980年の1.797から、2026年には1.025にまで通貨が切り上がる予測になっています。労働生産性を上げるだけでなく、為替高にもずっと耐えてきたんですね。40%も為替が切り上がったのに、スウォッチを始めとするものづくりの高付加価値化で凌いできました。
実は、為替の切り上げを凌いできたのも日本も同じですね。1980年に1 USD = 239円(チャートは、スイスフランと並べるため、「1セントが何円か」に換算してあります)だったものが、2013年には101円まで切り上がりました。スイスよりもはるかに厳しい為替(筋トレ?)を乗り越えてきたわけです。
ところが、黒田総裁が表れて、筋トレを止めてしまいました。この8年、為替はほぼ横ばいになっています。
もしも、日本が過去40年の筋トレを続けたら、2031年にどれぐらいの為替になっているか。トレンド線を引くと、1 USD = 50円 (2031年) ぐらいですね。為替が100%に切り上がれば、所得倍増です(笑)。
もちろん、こんな為替水準耐えられそうにないですが、デフレ懸念を払拭した上で、利上げに転じ、スイスなみに労働生産性を改善して円高を耐える(ライザップ?)するとすれば、あながち、むちゃくちゃな目標でもない気がしてきました。
購買力平価のドルベースでの所得倍増は、2020年代の日本にとっては、悪くないターゲットではないでしょうか。
では。