イギリス英語

 British Englishとはおかしな言葉ですね。「日本日本語」って言われたら、ほとんどの日本人は「?」となるでしょう。世界中で英語が話されているので、単語のつづりや、発音が違ってしまい、区別する必要がでてきました。日本人が、学校で英語を習ったのに海外で英語が聞き取れない理由の一つがこの多様性にあると思います。私も「シングリッシュ」には面食らいました。

 

 それなら、誰にもわかるように「進化」させればいいと思いますよね。私もエスペラント語は素晴らしいと思いました。世界中の人が、簡単に話し合えるのですから。しかし、結局廃れてしまいました。

 何でなのかなと思っていましたが、欧州に住んでひとつの仮説を持ちました。

言語はむしろ、外国人にわからないように発達する

と。欧州は世界でも特殊な地域です。こんなに異民族が狭い範囲で住んでいて、戦争を繰り返してきた地域はありません。欧州の国境は血で塗り固められています。ロシアが武力でウクライナ国境を変更することにEUが強硬に反発するのは、パンドラの箱を開けたら、大変なことになるのを知っているからです。

 そんな欧州では、敵と味方を峻別するために、発音や文法が複雑になっていきました。第二次世界大戦中、ドイツが標準的な英語(Received Pronounciation)でプロパガンダ放送をしてきたのに対し、BBCはナマリのあるキャスターにニュースを読ませたのは典型的な例でしょう。

 感覚でしかありませんが、チェコやハンガリーのように地政学的に侵略されやすい小国ほど、文法が複雑な気がしています。ピレネー山脈で他の欧州と分断され、安全なスペインは、つづりと発音が近く、わかりやすいと思っています。

 そろそろ共通テストですが、学生のみなさんも、外国語ができなくても落ち込まないでくださいね。他の国の人にはわからないように発達しているものなのですから。