the four by Scott Galloway (2017)
スコット・ギャロウェイ 東洋経済新報社 2018/7
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授によるIT業界解説。どの業界に居ても、Google、Apple、Facebook、Amazonの4社の動向を知らずして戦略を立てるのは、危険なのでしょう。参考になる情報満載です。
音声テクノロジーがブランド・ビジネスを破壊する話は、p.89。
買い物がオンラインに移行すると、製品のデザインや感触はあまり重要ではなくなる。視覚に訴える販促も、商品棚の並べ方の工夫もない。(中略)音声による案内では、消費者は価格もわからずパッケージも見ないのため、ブランドにこだわる傾向はさらに薄れる。
Appleで感慨深いのは、アップル・ストアの成功。p.135
ブランドが経営する店舗は、そのブランドにとっての神殿となる。アップルの店舗の1平方フィート当たりの売上は約5000ドルで、小売業で最高である。第2位はコンビニエンス・ストアだが、そこは50%の違いがある。アップルの成功の決めてとなったのは、iPhone ではなくアップルストアなのだ。
Appleの章で、印象深い観察がこちら。
富裕層というのは、地上に存在するどんな集団より均質である。
p.136
アップルが、世界で成功できた原因の一つが、富裕層に受け入れられるブランドになったことでした。
第4章は、フェイスブック。
第二次世界大戦はイギリス人の頭脳、アメリカ人の腕力、そしてロシア人の地による勝利であると、チャーチルは言った。ふぇいすぶっくはその3つすべてを兼ね備えている。顧客であるあなたがそのどれにあたるのかといえば、血である。
p.176
同社がインスタグラムを買収したことを評する場面は、p.178
私達が映像による情報を取り込む速さは言葉の情報を取り込む速さの6万倍である。そのため映像は心に直接届くのだ。
p.178
トランプ大統領は、中国が外国企業に技術移転を強制していると避難していますが、独立直後のアメリカには、技術がなく、欧州から盗んだことを記しています。
財務省は母国の移民法に違反してもアメリカに来たいというヨーロッパの職人に報償を出した。アメリカは、1793年に特許法を改変し、特許権保護の対象をアメリカ市民に限定した。これは知的財産を所有するイギリス人から、この窃盗行為に対抗するあらゆる法的手段を奪うためだった。
p. 253
第8章では、4社以外の動向も追っています。Uberはp.311。
4000人のウーバー従業員とそこに投資する人々で800億ドルを分けることになるが、ウーバーで働く160万人のドライバーの賃金は、ワーキングプアレベルにまで激減する。
これまではウォルマートの規模感に圧倒されていますが、ネット企業がこれだけの労働者を束ねる時代なのですね。
では。