【本】YouTube革命

YouTube革命
ロバート・キンセル文藝春秋 2018/3/15
Streampunks by Robert Kyncl

YouTube チーフ・ビジネス・オフィサーによるメディア論。YouTube社内の話ではなく、YouTubeが、世界をどのように変えたか、具体的な例が満載。
著者は、共産国チェコスロバキアで生まれており、情報統制時代との対比で、YouTubeが切り開いた映像の民主化が鮮やかに浮かび上がっています。

動画鑑賞は人の余暇の使い方ナンバーワンだ。平均的なアメリカ人は一日5時間以上も、画面で何かを観ている。p.46

・YouTubeから登場した若き作家Johg Green。
https://www.youtube.com/user/vlogbrothers/
2007年にサービス開始してから、累計再生回数は、743百万回
The Fault in Our Starsは、全世界で2000万部売り上げる

最初の2章を作者が朗読。

2014年にシャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴートで映画化。

・おばあちゃんが、世界一有名なキルト作家へ(Missouri Star Quilt Company)
累計視聴回数、138百万回。

・PSYのGANGNAM STYLEは、再生回数30億回超え。

・新たなジャーナリズムの担い手に。Vice Mediaは、世界30ヵ国以上に支部を持つ「若者のBBC」 デニス・ロッドマンの訪朝(2013)は、論争を呼びましたが、米朝会談の後に見ると、また、違った絵に見えます。p.226

第11章は広告。インテルとViceのCreators Project。

インテルに良いイメージを持つミレニアル世代の割合は、1年で3パーセントから38パーセントへと跳ね上がり、翌年には64パーセントまで上昇した。

ナイキによるクリエーティブなYouTube広告

P&Gの”Like a Girl”.

私がYouTubeに加わる以前は、大手ブランドがスーパーボール用のCMを試合の前に流すなど考えられなかった。しかし、いまそれはごくふつうのことになっている。p.255

第12章はジャスティン・ビーバー。

ジャスティンには『ぼくの名前はジャスティン・ビーバーです。聞いてください』とは言わせなかった。p.284

YouTubeで流れるミュージックビデオは、業界の構造を変えてしまいました。

「以前は50万ドルから400万ドルかけてビデオをつくり、MTVに懇願してながしてもらっていた」とスクーターはCESで言った。「今は消費者に直接届けて、相手に決めてもらう」 p.299

50歳になるとこういうのは、かなり無理しないと頭に入ってきません。よい本でした。

では。