【本】2050年の技術

2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する
文藝春秋 2017/4

自分の頭が固くなっているのを実感できる本。技術にすっかり疎くなっているのに気づきました。

テクノロジーの未来を予測する際、目を向けるべきものp.38

  1. 過去の類似例
  2. 過去の限界的事例
  3. SFに描かれた世界

William Gibsonの言葉。p.25

The future is already here – it’s just not evenly distributed.

2050年の技術予測。p.39

  • 仮想現実は、パソコンではなく、スマホが中心となる
  • 自動運転車によって、都市の車両数は90%減少する。途上国では所有を飛び越え、一気に共有へと進む。自動車事故激減
  • ロケットの打ち上げ費用が激減する
  • 遺伝子操作へ

新たな技術の台頭は、アクセンチュアのチャート。p.61

マイクロソフトが10億ドル企業になるまでに15年かかったのに対し、1998年設立のグーグルは5年で10億ドルにたっしたし、15年目で500億ドルを超えた。フェイスブックは4年強で10億ドルを超えた。 p.62

技術の進歩と労働生産性の関係については、p.79の図。

第14章はデータについて。

19世紀が蒸気、20世紀が石油で動いていたとすれば、21世紀の動力源はデータである。p.316

そして、

プライバシーは飛行機のビジネスクラスや別荘のように、贅沢品になる。P.317

第16章は教育について。テクノロジーは教育の機会を広げてくれるが、こんな現実も。

中産階級の子供が生後最初の二年間で語りかけられる言葉の数は、労働階級の子供と比べて数百万語多いのが一般的だ。p.329

第17章はリンダ・グラットン教授による働き方について。

私たちは現在、毎日150回以上携帯電話を確認し、メッセージ等の通知に10.5秒に1回の割合で作業を中断させられている。p.340

現代の特殊性がわかるのがこちら。

先史時代から今日に至るまで、人類史のほとんどを通じて、世代が変わってもテクノロジーは変わらないのが常だった。どの世代も父親や母親が使っていたのと同じような道具、あるいは親から直接受け継いだ鍬、こて、すりこぎ、つぼ、針、ナイフなどを使っていた。p.354

その常識が覆されたのが産業革命だった。
ちょっと笑ったのが20世紀に誕生した最も重要な技術はアンモニアの合成という下り。p.356 大気中の不活性窒素を固定してアンモニアを合成することで、人口肥料は爆薬が作れるようになった。

では。