【本】アジア・シフトのすすめ

アジア・シフトのすすめ

田村耕太郎 PHPビジネス新書 2014/12

日下さんの話を若い世代がすると、こういうことでしょうか。私が、日頃感じていることを、わかりやすいデータと切り口で解説しています。(イントロは、こちら

第1は、シンガポールから見る日本。Lee Kuan Yewの言葉に要約されてます。

If I were a young Japanese and I could speak English, I would probably choose to emigrate.(One man’s view of the world)

人口を減らしながら高齢化することは、財政や経済上の問題では終わらないということだ。彼は「それは安全保障上の問題でもある」と述べているのである。p.33

日本創生会議のデータを参照しながら、日本の特に地方の問題に焦点を充てています。

私が学生時代に最も手堅い就職先と言われた「地方自治体」が、今後は最も存在が危ぶまれる組織になってしまうということだ。p.35

私も、最も手堅い就職先だった銀行にいたのですが、今度は、お役所もそうなりかねないと。

第2は、アジア経済の躍動に触れています。印象的なのは、李嘉誠氏のインタビュー。華僑の商人道を知ることができます。

第3は、今後のシンガポール。p.179に、Benjamin Disraeliの言葉があります。

What we anticipate seldom occurs: but what we least expect generally happens.

シンガポールのエリート層の問題意識を紹介しながら、建国50周年を越えて、どのような差別化をするのか説明しています。

以下、感想ですが、学生時代の私がアジアを見る眼は、この貧しい国々が経済成長するには、どうしたらよいかというものでした。それが四半世紀後、

成長      中国、シンガポール、ASEAN

停滞    韓国、台灣、香港

下落    日本

(データの裏付けはありません。あくまでイメージ)になってしまうとは、思っておりませんでした。20年を超える期間では、リーダーシップが大きくものをいうことを実感しました。インド、インドネシアは楽しみですね。

では。