日経BP社 2010/11
GEヘルシーマジネーションデイ2010の本。日本の医療問題のポイントと、GEの戦略がわかります。
第一章は、黒川清教授。先日ご紹介したポーターの『医療戦略の本質』と、クリステンセンの “The Innovator’s Prescription“を引用しています。クリステンセンの
問題を抱える側が解決策へ近づいていかなくてはならない構造は、もはや医療機関くらいにしか残っていない。
というのが印象に残りました。
それにしても、この読後のしっくりしない感じは何でしょうか。光の道を待つまでもなく、ITを活用して医療問題に取り組まなければならないのは明らかです。しかし、本書からは、その影の部分が感じられません。十字軍の行進を見ているようです。
医療費といっても、そのほとんどが終末期医療費のはずで、その対象となる人は、直接的であり間接的であれ死を宣告されています。ここの部分は、クリックで解決できるものではないはず。もう少し地に足ついた議論が必要ですね。