【本】ブックビジネス2.0

ブックビジネス2.0
津田大介 ほか 実業之日本社 2010/7

電子出版論。第一回ARGフォーラム。タイトルにあるとおり、電子出版においてはビジネスセンスが重要という意識が読み取れます。

まず、電子出版で最も変化するのは、出版社と著者の関係。これまでの印税10%から最大70%に変わったときに、その変化をどう活かすか。増えた分は関係者で再分配しながら、マーケティングを考えることになると予測しています。

次に、書物のデジタル化により図書館の在り方が変わるということです。長尾真国会図書館長の話が収められており、参考になります。ビジネスではよくみかける、OS、ミドルウェア、アプリのアナロジーを図書館(系)に当てはめています。

  1. OS:国立国会図書館
  2. ミドルウェア: 有力な国公私立大学図書館や都道府県立図書館など
  3. アプリ: 市民学生が普段利用する図書館

現在でも、図書の貸し借りはありますが、時間がかかり、「エコシステム」とまでは言いがたい状況にあります。電子化が進むにつれて、ロジが激変し、それぞれの役割が明確になるのがわかりました。電子書籍時代は、「図書」館ではなくなりますね。図書館員として教育を受けた人がこの変化についてこれるかどうか…。ブライドタッチできないひとにPCを与えるような既視感を覚えます。

野口祐子弁護士による話も、CCを復習するのに有益でした。

では。