「事業仕分け」の力
枝野 幸男 集英社新書 540A 2010/4
民主党枝野幹事長の事業仕分け日記。
以前、蓮舫議員の話を聞く機会がありました。その時にも、政治にはメディアが取り上げないところがあるのがわかったのですが、本書でも同じ感想を持ちました。
テレビ的には、水戸黄門ライクな「成敗」系の報道になってしまいがちです。議員の地道な調査、行政側のアカウンタビリティの欠如、情報公開という点で画期的だったことなど、学ぶことが多いですね。
民主党政権の意義については、政策とガバナンスそれぞれの変化を分けて考えた方がわかりやすく、本書は後者の変化がよくわかるようになっています。
また、事業仕分けという考え方が、10年かけて地方行政の現場から積み上がってきた様子もわかります。カナダ政府の例もでてきますが、日本の行政現場でも、さまざまな努力があるんですね。
本来であれば、決算をしっかり監査すべきというのも、その通りで、落ち着けばそういう方向になのだと思います。行政を評価するのが、総務省というひとつの官庁の仕事になっているのも、官僚間の力関係を鑑みれば、改善の余地がありますね。
では。