全予測2030年のニッポン
三菱総合研究所産業・市場戦略研究本部 日本経済新聞社 2007/2
おなじみ三菱総研の全予測シリーズ最新作。しばらく見てなかったですね。この10年、日本の元気のなさを感じます。今度のスコープは、20年後の2030年。
「メガ・トランスフォーメーション」とは、以下のとおり
・世界の人口増加は止まり、地球規模での高齢化が始まる
・「メガ国家」の台頭
・安全保障の変化:賢い兵器
・価格・性能から持続可能性の追求へ
・ものづくりから価値創りへ
・人材は知識から想像性へ
国連の予測によると、世界の人口は、2065年に90億人でピークとなる。2030年ごろには、82億人となり、インドが人口世界一に。
メガ国家とは、人口・経済力で世界の2割シェアを持つか、協力な軍事力・資源力を持つ国家および国家連合。2030年、人口でこの要件を満たすのが?インドと?中国。アメリカは5%に過ぎなません(p.19)。GDPで満たすのが?アメリカ(30%)と?EU(20%)。P.20に「2030年のメガ国家と日本の経済規模イメージ」という地図が掲載されています。日本のシェアは2004年で13%ですが、2030年では10%を切ります。軍事力・資源で入るのが?ロシアですね。
まず、国連やG7のような意思決定機関が、この「メガ5」に吸い寄せられていくことでしょう。
次に、メガ5以外の国が発言権を持というと思えば、他国と組んで、資源を抑えに行くのが最も早いですね。アラブのあたりで動きがあるでしょうし、南米が結束してくるかもしれません。
その次が軍事力ですか。核の魅力が高まるでしょうね。北朝鮮問題が違ったふうに見えます。通常戦力による戦争の可能性は低下しそうです。P.9-10に、人口ピラミッドがあり、世界的に人口構造がピラミッド型から釣鐘型に変わるのがわかります。若い人の比率が下がると、戦争の可能性が低くなります。
最後に日本は、どうなるんでしょうか。そもそも、メガ国家を目指すのか。そうなら、人口16億人とか、GDP14兆ドル(1700兆円)は、厳しいですね。改憲がなければ、軍事力で目指すのも難しい。資源はもともとありません。結構、厳しいですね。高度の外交センスが必要なのは、わかりました。
では(^^)/^
では。