ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)
渡辺 千賀 朝日新書 2006/12
シリコンバレー在住の渡辺さんの本。アメリカで起こっているプロフェッショナルのフリーランス化について、本の後半で書いています。シリコンバレーは、特殊な場所とはいえ、今後、東京でもこうした「働き方」変化が出てくるんだろうなぁと思いました。
アメリカ全体では、18歳から34歳の間に経験する仕事の数は平均して9.2個、しかも会社ではたく人の75%が別の仕事を探している。(P.70)
とあるように、終身雇用を保証することは、「贅沢」なことになってきています。
P.105以降で、賃金体系が語られているのですが、給与水準が高いのが意外でした。
フェロー $160K
プリンシパル・エンジニア $145K
スタッフ・エンジニア $115K
エンジニア $80K
事業が失敗するリスクを勘案して、大企業も、ベンチャーも同じ給与水準に落ち着いているのだとか。
ヒューマン2.0は、次の4パターン(P.128)
・フリーランス
誰かに雇用されるのではなく、何らかの専門性を持って個人で仕事を請ける人。
・ライフスタイルワーカー
自分の好きな場所に住むことを重視する人
・チャンクワーカー
働く期間と休みを分割する人
・ポートフォリオワーカー
複数のタイプの仕事を掛け持ちする人。
フリーランスが、シリコンバレーでは15?30%に達しているとか。
フリーランスが普及している理由は、経済原理が働いているようです(P.136)。働く側にしてみれば、会社勤めの給与の1.5倍以上の収入が期待できる。雇う側からみれば、会社組織に頼む場合の半額以下で発注できる。
P.137のランクの話も面白いです。
ランク1 実は要求者もわかっていない要求を実行できる。
ランク2 要求をクリエイティブに実行できる。
ランク3 要求を効率よく実行できる。
ランク4 要求を、回り道しながらも実行できる。
落第級 要求されたことを実行できない。
日本人は、ランク3が多いんだそうです。自分も反省しないとと思いました。
P.162では、ヒューマン2.0のルールが出てきます。面白かったのは、転職のルールですね。
「本当にやりたいことのために、大きな変化を一気に起こす」のは失敗につながる。
というのは、シリコンバレーにいるから出てくる実感なんでしょうか。
では。