【本】風雲児たちが巻き起こす携帯電話崩壊の序曲☆☆☆☆

風雲児たちが巻き起こす携帯電話崩壊の序曲
風雲児たちが巻き起こす携帯電話崩壊の序曲
日経コミュニケーション編集 2005/12 日経BP

日経コミュニケーションが書いた、携帯業界のレポート。日経らしく、各社のキーマンへの取材に基づいた記事が積み重ねられており、通信業界のことがよくわかります。
  ポイントは、以下の3点でしょうか。


 第1は、孫社長の破壊力ですね。思えば、通信業界というのは、保守的な業界で、そこに新規参入するには、すさまじい破壊力が必要なのが、わかりました。
 第2に、携帯電話に対する新技術の萌芽ですね。デジカメが普及してきた後のフィルムカメラのように新技術が旧製品の価値を喪失させることはよくあることです。無線LANやWiMaxといった技術が、携帯電話に対する技術的な脅威になるのか?結論は出ていませんが、現実として利用がかなり進んでいるのがわかります。
 第3に、放送と通信の融合よりも、まずFMCだということです。みなさんテレビが好きですから、携帯でテレビが見れる方に、注目が集まります。が、その前に主戦場となるのは、固定電話と携帯電話がどう融合するのかではないでしょうか。通信はやはり装置産業で、固定と携帯の陣取りが、モノをいう気がします。インターネットとテレビが、重なっていのは、その後ですかね。

 いずれにしても、竹中大臣を中心に放送と通信が大きく動くのは確実で、この本が書ききれなかったことが、今年の終わりには、結構、見えてくるのではないかと思います。