【本】ひらがなで考える商い ☆☆☆☆

ひらがなで考える商い (上)
ひらがなで考える商い (上)
伊藤 雅俊

イトーヨーカ堂創業者のビジネスに対する考え方がまとめてあります。商人の「センターピン」が何であるのかを的確にしてきしてあります。


この本を読むと、小売をやる人とモノを作る人は、違うなと思いますね。メーカーも顧客満足度の改善には取り組んでいるのですが、毎日現場で顧客と言葉を交わしているプロとは、レベルが違うのを痛感します。ダーウィンの進化論のように、わずかな習慣の違いが、全く違う生き物を産み出しているようにも思えます。
それが集約されるのが「ひらがなで語る」ということですね。大和言葉と言い換えてもいいと思います。メーカーや金融にいると、EVAとかいう外来語がやたら出てきます。しかし、小売の現場では、そんな言葉は通じないんですね。お客様に毎日接していると、自然に「ひらがな」になるのが興味深いです。
もうひとつ驚くのが、教えを請うその態度ですね。あの伊藤さんが、業界を超えてさまざまな経営者にマネジメントの奥義を尋ねています。松下幸之助さんとのやりとりが何度も出てきますが、自分の道を究めようとするその姿に感心します。

では。