【本】地球と一緒に頭も冷やせ!

地球と一緒に頭も冷やせ!
Cool It!

The Skeptical Environmentalist’s Guide to Global Warming

by Bjørn Lomborg ソフトバンククリエイティブ 2008/6

“The Skeptical Environmentalist”の続編。地球温暖化をめぐる「常識」を豊富なデータで検証しています。原題には、温暖化対策を他の政治問題と比べて優先順位を冷静につけるという意味と、温暖化の対策を冷静に考えるという2つの意味が含まれています。
その姿勢は、p.260の質問に現れています。

  1. 問題の規模はどれくらいなの?
  2. その問題によい側面はないの?
  3. それであなたの解決策は何?
  4. それをやると問題のどれくらいが解決できるの?
  5. それにはいくらかかるの?
  6. 他の専門家はどんな解決策を提案してるの?
  7. 他の専門家は、それでどれくらい解決できると言ってる?
  8. 他の専門家はいくらかかると言ってるの?
  9. 経済学者に費用便益分析をしてもらってください。
  10. それを世界の他の問題の解決策と比べてください。

個別の事実認定については、このような形で議論が進めばいいと思いますし、温暖化問題を他の政治問題の中で位置づけたものとしては、p.70に、Copenhagen Consensus (2004)が紹介されています。

難しいのは、学問的には細部を追求すればよいとしても、政治的には、単純にしないと世の中動かないということでしょうか。ホッキョクグマのデータを見れば、議論が浅いのはよくわかるのですが、10年前には見向きもされなかった問題に人々が関心を寄せるようになったのは事実。

今後も、こうした議論が進むように私も勉強したいと思います。

では。

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