1998年の円安

24年ぶりの円安というニュースを読みました。

エラー|NHK NEWS WEB

24年前といえば、1998年。長銀が国有化されたときですね。

 1995年4月、為替担当だった私は、それまでの円の最高値(約80円)を見ました。そこから3年、1998年8月に最安値(約146円)まで下落します。そこから2ヶ月でまた113円まで戻すのですが。そこからは円高傾向で、1999年12月に101円になります。

 この3つの時期の米国のイールドカーブは、こちら。 

 1995年にドル安になったときに、ドル金利は低くはありませんでした。1998年にドル高になった時の方が低いですね。そこから1999年末にかけて、ドル安になるのですが、逆にドル金利は上がっています。

 日本の金利は、こちら。

1995年の円高時も、短いところは、低いですね。イールドカーブは立ってはいますが、金利から猛烈に円を買うという状況ではありませんでした。むしろ、バブル崩壊で、利下げ局面でした。

 1998年の円安局面では、金融危機だったこともあり、長期ゾーンが下がりました。1999年末にかけて円高局面では、それほど変わっていません。

 日米金利差は、こちら。

 ドル安の95年も、ドル高の98年も、イールドカーブは似たようなものですね。1999年のドル高修正局面では金利差は拡大してますね。ドル円は金利差では決まらないという私の経験とも符合します。

 ここまで見てくると、最近のアメリカの利上げでウンヌンというのは、ちょっと納得行かないですね。日本円が、最近はマクロ経済学の教える通りに動くようになったのでしょうか。それとも、相変わらず、政治的要因で円安になっていると見るべきでしょうか。

では。