年金運用の評価方法

GPIFの運用損がニュースになっていました。四半期の損益を騒いでも、得るところは多くありませんが、情報開示によって国民の関心が高まったのは良いことだと思います。もう少しわかりやすい「ものさし」があれば、なお良いですね。  Willis Towers WatsonのGlobal pension assets study 2018から図を作ってみました。

横軸は、リスク。総資産に占める株式の割合 (2007,2012,2017の平均) です。縦軸は、総資産の年平均成長率(2007-2017、以下「成長率」)を取りました。バブルの大きさは、総資産額(2017)です。たとえば、アメリカの総資産額は、25兆ドルと最大。株式の比率は53%で、成長率は、年5.2%でした。

7つの先進国に限って言えば、リスクを取ったから、成長率が高くなるということはありませんでした。リーマン・ショックのようなことがあれば、株式が必ずしも高利回りにはなりません。MCSIワールドインデックスは、下図の通です。2007年から2017年の10年ですと、年平均3.5%上昇でした。

イギリスの成長率が低かったのは、リーマンショックのダメージが大きかったからでしょうか?

一方、スイスや、オランダが、株式比率が低くても、高い成長率を実現できているのは、学ぶことがあろうかと。総資産のGDPに対する比率をとったのが下図。

しっかり運用できていれば、年金資産が積み上がるわけで、オランダの194%は、すごいですね。年収500万円の家庭に例えれば、貯金が1,000万円あって、利息が毎年40万円あるということですね。

同じ条件で日本を表現すれば、貯金は、300万円で,利息が6千円というところでしょうか。GPIFさん、頑張ってください!

では。